フラメンコの代表曲

グアヒーラ

グアヒーラは、中南米起源の曲がフラメンコ化された曲です。

グアヒーラの歌詞のテーマも、キューバやその首都ハバナの様子、キューバの女性たちのことなどが多く、ゆったりとのどかな雰囲気で歌われます。

グアヒーラのコンパスは8分の6拍子と4分の3拍子が繰り返され、12拍のうちアクセントは1・4・7・9・11拍目にあります(ノリとしては1・2・3/1・2・3/1・2/1・2/1・2という感じです)。

曲調は長調で、リズムもはっきりしており、全体的に明るい雰囲気です。

グアヒーラにおいては特にカホンやボンゴなどの打楽器が活きるのも、中南米起源の曲だからでしょう。

グアヒーラは、最後はブレリア、もしくはタンゴで締めることが多く、陽気で愛嬌があり、またかわいらしい色気も感じられる曲です。

グアヒーラを踊るときには、アバニコ(扇子)を用いることが多いです。

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フラメンコの代表曲

シギリージャ

シギリージャは、フラメンコの奥深さ、荘厳さを感じさせる曲で、ソレアと並びフラメンコにおいて重要な曲です。
シギリージャは全体的に悲愴な雰囲気の漂う曲ですが、バイレ(踊り)もカンテ(歌)も強い感情が必要とされます。

シギリージャの大まかな構成は、「ティリティリティリ〜」と始まることの多いカンテのサリーダ(出だし)、厳かな雰囲気の歌振り、エスコビージャ(足技)に続き「マチョ」と呼ばれる締め歌で終わります。
全体的にはゆったりとしたテンポですが、マチョにつながる頃はギターでもコンパスが強調され、激しくドラマティックな展開を見せます

シギリージャのリズムは12拍を1コンパスとしますが、リズムは少々複雑で、アクセントは1・3・5・8・11にあります。

シギリージャを舞台で踊るときには、パリージョ(カスタネット)やマントンを用いたり、バタ・デ・コーラ(後ろの裾が長い衣装)を着たりすることもあります。

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フラメンコの代表曲

ファンダンゴ

ファンダンゴには、地方や歌う人によりさまざまなスタイルがありますが、踊るためのファンダンゴとしてはウエルバ地方のもの(ファンダンゴ・デ・ウエルバ)が有名です。

ファンダンゴは、ソロで踊る曲というよりは、セビジャーナスのように2人以上で踊るのが一般的です。

ファンダンゴ・デ・ウエルバは、やはりセビジャーナスと同様に4つの曲から成り、パリージョを用いて踊られることが多いです。

ファンダンゴのコンパスは3拍子です。

ファンダンゴのうち、ナトゥラレス(自然の)もしくはペルソナレス(個人の)と呼ばれるものは、リズムは重要視されず歌のニュアンスが強調されるため(カンテ・リブレといいます)、踊るためのものではありません。
これらは、カンテとギターがお互いに寄り添って奏でる絶妙なハーモニーを味わいましょう。

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パコ・デ・ルシア(ギター)

1947年、アルヘシーラス生まれ。

パコ・デ・ルシアは、フラメンコ・ギタリストの第一人者です。
パコ・デ・ルシアの偉大な功績の一つは、ジャズやサルサ、ボサノバなど他のジャンルの要素を取り込んで、フラメンコの伴奏方法や和音進行に革新をもたらしたことにあります。
現在活躍する若手ギタリストで、パコ・デ・ルシアの影響を受けていない者はいないと言っても過言ではないでしょう。

パコ・デ・ルシアは、名カンタオールの故カマロン・デ・ラ・イスラと組んで数多くの名演奏を残し、またジャズ・ミュージシャンでフルート奏者のホルヘ・パルドやエレクトリックベース奏者のカルラス・ベナベンらとセステット(六重奏団)を結成し、来日公演も行っています。
また、カルロス・サウラ監督、アントニオ・ガデス主演の映画「カルメン」では音楽を担当し、自らも出演しました。

パコ・デ・ルシアのこれまでの偉業を超えられるのは、これからも進化し続けるであろうこのアルティスタ(アーティスト)本人しかいないかもしれません。

パコ・デ・ルシアのアルバムは多数リリースされていますが、ジャズ・ギタリストとの共演から得たエッセンスと伝統的なフラメンコが見事に融合し、フラメンコ・ギターの新たな境地を拓いた「シロコ」などは必聴です。

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フラメンコの代表曲

ブレリア

フラメンコ公演の最後に、出演者一同が輪になってパルマ(手拍子)ではやし立てながら、一人一人が即興で自由に踊る場面をご覧になったことはありませんか?
速いリズムとはっきりとしたコンパス、ハレオ(かけ声)とパルマに彩られた、にぎやかで活発な愛嬌溢れるこの曲がブレリアです。
ブレリアは「burla(からかい)」からその名がついたように、陽気でからかう歌詞が多く、お祭りや宴会の場でよく奏されます。

ブレリアをソロで長々と踊ることはほとんどなく、たいていジャマーダ(呼び出しの合図)を出して歌に合わせて一振り、サパテアード(足技)などで見せ場を作ってサリーダ(舞台を去る・元の位置に戻る)という流れが多いですが、動きの自由度は高く、いわば「何でもあり」なのがブレリアと言えます。

ブレリアのリズムはソレアやアレグリアスと同じく12拍を1コンパスとしますが、テンポはずっと速く、パルマのコントラティエンポ(裏打ち)などがさかんに盛り込まれ、バイレ・カンテ・トーケ・パルマみんなで遊べる曲です。

ブレリアは地域ごとにも特徴があり、たとえばブレリア揺籃の地・ヘレスでは6拍ずつ小刻みにコンパスを取りながら、バイレに強いサパテアードなどは取り入れずもっとカンテに寄り添ったブレリアがみられます。
またカディスでは長調で歌われることも多く、アレグリアスの最後のブレリアにはこの「ブレリア・デ・カイ(カディス)」がよく取り入れられます。

ブレリアは宴会芸風の曲とも言えますが、実際は非常に難しく、コンパスに乗ってカッコよく踊れるようになるには練習と経験が必要です。

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フラメンコの代表曲

タンゴ

フラメンコにおけるタンゴは、アルゼンチン・タンゴとの関わりは薄く、アフリカ系キューバ人の音楽の影響でフラメンコに取り入れられたと言われています。
タンゴ発祥の地はカディスとされていますが、グラナダやセビージャ(特にトリアーナ地区)でも発展しました。
タンゴはアクセントのはっきりしたリズミカルなスタイルで、ブレリアと並んでフィエスタ(フラメンコの宴会)では欠かせない曲種です。
タンゴの歌詞の内容も明るいものが多く、音階はミを主音とするアンダルシア音階が基本ですが、グラナダやトリアーナでは長調や短調で歌われることもあります。

タンゴの振り付けでは、腰の入った、フラメンコらしいうねりやひねりを特徴とする動きがよく取り入れられます。

タンゴのコンパスは4拍子で比較的理解しやすいスタイルなので、初期に習う教室も多いです。
しかしそれは「簡単」という意味ではなく、シンコペーションが多用された横ノリをフラメンコらしく粋に表現するのはなかなか難しいものです(一歩間違えれば「お遊戯」になりかねません…)。

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フラメンコの衣装いろいろ

【コルドベス】
コルドベスとは帽子のことです。
コルドベスはタンギージョやガロティンといった曲でよく使われます。
コルドベスの特徴は硬いフェルト地でつばが広く、かぶりは浅い円筒形で頭頂部は平らです。
コルドベスを日本で購入する場合の価格は、だいたい15,000円〜25,000円くらいです。

【マントン】
マントンは、豪華な刺繍が施され、フリンジがたくさんあしらわれた大判のショールです。
マントンを衣装の上から羽織ったり、またマントンそのものを身体に巻き付けて衣装にすることもあります。
マントンを振り回したり肩に掛けたり振り付けの一環として使われることもあります。
マントンの素材はアムンゼンやシルクなどです。

【シージョ】
シージョはマントンよりも小振りな、三角形のショールです。
シージョを肩にかけたり首に巻いたりするほか、腰に巻いたりするのも粋な使い方です。

【バストン】
バストン(ステッキ)で床をこつこつ叩いてコンパス(リズム)を刻みながら踊ることもあります。
バストンを踊りに取り入れることは技術的にかなり難しく、相当な修練を要します。

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カマロン・デ・ラ・イスラ(カンテ)

1950年カディス県サン・フェルナンド生まれ、1992年肺ガンのため死去。

カマロン・デ・ラ・イスラの名前や歌声は、フラメンコに興味を持った人であればどこかで聞いたことがあると思います。
カマロン・デ・ラ・イスラは残念ながら若くしてこの世を去りましたが、今や伝説となったカンテ・フラメンコ界の至宝です。

カマロン・デ・ラ・イスラの全身からほとばしる苦しい叫びとも感じられるその歌声は、ときに激しく、ときに切なく、ときに妖しく、聴く者の魂を揺さぶります。

カマロン・デ・ラ・イスラは、1960年代後半から70年代にかけて、名ギタリストのパコ・デ・ルシアと10枚ものアルバムを収録しました。

1989年のアルバム「ソイ・ヒターノ」は、フラメンコ史上最高の売り上げを記録しました。
また2000年には、没後8年、生誕50年を記念して、未発表の曲や様々な時期のカンテを集めたアルバム「アントロヒア・イネディタ」がリリースされました。

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フラメンコの代表曲

ソレア

ソレアは「フラメンコの原点」「フラメンコの母」とも言われています。
ソレアの語源はスペイン語で孤独や寂しさをあらわす「soledad(ソレダー)」に由来するとの説が有力です。
その名の通り重く深みのある曲で、歌・踊りともにフラメンコの主要曲の一つです。

ソレアの構成は、まずフラメンコ特有の哀愁を帯びた、ゆったりとした荘厳な歌に合わせて踊る部分(レトラ)から始まり、複雑なサパテアード(足のステップ)を組み合わせたエスコビージャ(足技が中心となる部分)でテンポを上げていき、最後はブレリアで締めくくるというのが一般的です。

ソレアのリズムは12拍で1コンパス(リズムの一まとまり)となり、アクセントは3・6・8・10・12もしくは3・7・8・10・12拍目にあります。
フラメンコの曲には、この12拍を基本とするものがいくつかあり、ソレアのコンパスの刻み方は他にも応用できます。

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フラメンコの衣装(ドレス)

フラメンコの衣装に魅力を感じてフラメンコを始めた方もたくさんいらっしゃいます。
フラメンコの衣装は華やかで個性的なものが多く、見ているだけでも楽しいものですし、実際着てみるとやはり「踊りたい!」とテンションが上がるものです。

フラメンコの衣装に「こうでなければならない」という制約はありませんが、明るい曲の場合はボランテ(フリル)などがついた華やかで明るい色合いの衣装、暗い曲の場合はシンプルな形で落ち着いた色合いの衣装を着ることが多いです。
フラメンコの衣装には、ワンピース・タイプ、ツーピース・タイプとがあります。

フラメンコの衣装にも流行があり、ここ数年はマーメイドラインで袖はボリュームのあるフリルが肘より少し下にくるものが流行しているようです。

フラメンコの衣装の中には「バタ・デ・コーラ」と呼ばれる後ろの裾が長い衣装もあります。
これは、どちらかというと大きな舞台向きです。

男性の衣装は、伝統的には腰高のズボンにベストや丈の短いジャケットを羽織るスタイルですが、最近ではこういったスタイルは少数派で、スーツが主流となっています。

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